テーマ 節電を煽る嘘(107座)

2012(平成24)年8月1日


表紙

▼吉田  え…小出先生はこの夏の電力需給と、それから原発再稼動の問題は、どういうふうに捉えてらっしゃるんでしょうか。

▼小出  はい。要するに…政府や電力会社がずうっと嘘を言い続けてきているのです。

▼吉田  ええ…、

▼小出  日本には、水力発電所と火力発電所が膨大にありまして。

▼吉田  はい…、

▼小出  それを両者を、きちっと動くように準備できているなら、いるのであれば、

▼吉田  ええ…、

▼小出  いついかなる時も、電気は足りるのです。

▼吉田  はあ…、
 
▼小出  だから、原子力なんて全く頼らなくても、え…誰も困らない。節電など誰もしなくてもいいというそれだけ。火力発電所・水力発電所があるのですが、え…そのことを政府がちゃんと言わない。そして原子力をやらなければ停電してしまうぞといって、人々を脅かし続けて、 結局また動かそうとしているという…。

▼吉田  結局じゃあ関西電力の出した数字もいい加減なもので?

▼小出  はい。
      
2012年6月15日(金)、文化放送「吉田照美ソコダイジナトコ」より、小出裕章先生との会話


住職記

■先日、大飯原子力発電所が再稼働しました。今もなお、放射能汚染によって追い込まれている人々がいるにも関わらず、そんな政策を許してしまいました。私たちは何よりも経済に重点をおいたのです。いのちよりもです。
■以前、ある研修会で話された中で、非常に疑問を感じることがありました。それは次のような言葉です。

コンセントの向こうに福島の人たちがいるのです。私たちが何よりもしなければいけないその一点は、なるべく電気を使わないこと、つまり節電なのです。

■その研修会に限らず、この夏、特に節電を呼びかけてくる言葉を度々耳にします。
■勿論、現代このような生 活をしている私たちにとって、節電が課題であることは当 然のことです。それは間違いありません。しかし、その一点が本当に何よりもしなければいけないことなのでしょうか…。
■表紙の小出裕章先生の言葉にもありますが、巨大な原子マネーをバックに原子力村と呼ばれる政治家、学者、そしてマスコミの嘘をこれまで悲しい程、鵜呑みにしてきた私たち。そして今、またしても、原子力村の節電を煽る嘘を鵜呑みにするのでしょうか…。
■もしも、私たちが従順で素直に節電に励む者であるなら、政治家にとってこれほど都合の良いことはありません。思い通りの政治が出来ます。
■今、私たちが何よりもしなければいけないことは、 そんな節電に励む者になることではありません。
■そうではなく、何よりも大切なことは、今もなお放射能汚染によって追い込まれている人々を見つめていく眼を決して失わないこと。そしていつもそのような社会的に弱い少数の人々が切られていく世の中の仕組みや嘘をしっかりと見抜く眼を持つことだと思います。
■それに伴い、これまでの私たちの生活全体を問い直し、もう少し慎ましく生きる実践として、節電があるのです。
■時の政府から流罪された親鸞聖人…、そのことを憶いつつ、今、あらためていただき直したい言葉があります。それは、石川県珠洲市で原発問題にずっと取り組んでこられた、塚本真さんの飾らない真っ直ぐなひと言です。

真宗門徒は強い者の味方をしたらダメなんや

編集後記

▼繰り返しますが、節電は二の次ということでは決してありません。そのことも、小出裕章先生が著作である『原発のウソ』でこのように書いておられます。「安全な地球環境を子どもや孫に引き渡したいのであれば、「知足」しかありません。まずはエ不ルギー消費の抑制にこそ目を向けなければなりません。」ちなみに小出裕章先生は11月10日(土)午後1時半、五村別院にお話に来られます。ぜひお参りください。

▼今年3月、長浜教区から東北地方太平洋沖地震で被災された方々にお米と飲料水が届られました。(詳細は浄願寺メモ84号参照)その第2便のご案内です。(下参照)今回はお米のみです。

▲上記の通り、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。浄願寺へお持ちいただくか、住職にお渡しいただきますなら、住職が長浜教務所の方へ届けさせていただきます。
(メッセージシートはお寺にあります。)
勿論、直接、長浜教務所の方へ届けていただいても結構でございます。

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