テーマ 真宗人成講座「人と成る」(180座)

2019(平成31)年3月1日


表紙

一番余っているもの、一番足らないもの…それは何だと思いますか?
どちらも同じものです。

それはまさに「人」ではないでしょうか。
昔から人の世に詠まれてきた歌です。(住職)

    人多き
    人の中にも
    人ぞなき
    人となれ人
    人となせ人

住職記

■長浜教区第16組では、「真宗人成講座」を取り組んでまいりました。名は体を表すの言葉通り「人と成る」ことがこの講座の願いです。

■以前、狼に育てられ、狼のまま一生を送ったという「アマラ」と「カマラ」という狼少女の話を通して、林竹二さんがこのように語られています。

人間というものは、人間の子として生まれただけでは人間になれない。
人間は人間になるためには実にいろんなことを学んでいかなければならない。
人間とは何か、人間を人間にするものは何か。『教育の再生をもとめて』林竹二著より
 
■そしてまさにこの問いに応えるが如く親鸞聖人は主著の『教行信証』の中で、「人間とは何か」を次のように書かれています。

①「求道者」ぐどうしゃ(きゅうどうしゃ)
人ありて西に向かいて行かんと欲するに(真宗聖典219頁)
とあり、西とは正しい方向であり、そこに向かう「求道者」が人であると言われます。それは切に真を求めて歩く生き方です。

②「慚愧者」ざんぎしゃ
「無慚愧」は名づけて「人」とせず
(真宗聖典257頁)
とあり、慚愧とはひと言で言えば恥じることであり、「慚愧者」が人であると言われます。それは自らを深く痛む生き方です。

③「独立者」どくりつしゃ
「人いずくんぞ能く鬼神に事えんや」
(真宗聖典398頁)
とあり、鬼神はおろか誰にもつかえる必要のない「独立者」が人であると言われます。それは独断と偏見ではなく、どこまでも仏法を中心に自分で考えるという極めて主体的な生き方です。

■このように「求道者」「慚愧者」「独立者」として生きることが「人と成る」ことであり『唯信鈔』の中の「人間」(真宗聖典916頁)という文字に「ひととう(む)まるるをいう」とわざわざ左訓をされていることからも、人間とは、一生涯、人となっていく者、人に生まれ続けていく者であると教えられています。あなたは人ですか。私は人ですか。今一度、表紙の歌を頂きたいと思います。

編集後記

▼宗門では1961年、親鸞聖人の七百回御遠忌が勤まりました。そしてその翌年、真宗同朋会運動が発足し、教化の三本柱(本廟奉仕・特別伝道・推進員教習)として、推進員養成講座が進められ、そしてその後、長浜教区第16組では、推進員養成講座を「真宗人成講座」と命名して取り組んでまいりました。教区指定ではなく自ら手を挙げたこの度の講座に浄願寺から中川勇さん、藤田裕子さん、赤川顕次さんが参加されました。その際の中川勇さんが第16組の会報に書かれた文章をここに掲載させて頂きます。

 御仏様のご縁を頂き、昨年第16組「推進員養成講座」に参加、更に本山での後期教習の際には、参加班の一人として『感話』の機会も頂きました。
 今、自分自身が置かれている仏門との関わりの中で、特に近年お寺離れが進む傾向にあって、次世代における各寺の護持運営が非常に厳しくなることが想定されます。予期せぬ『感話』ではありましたが、既に当町浄願寺に於いて来る2021年11月19日〜21日「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌」をお迎えする事が決定され、その実行委員会のメンバーでもあったことから今日の状況も踏まえ、御遠忌をお迎えする意義をご門徒皆さんと一緒に考え、更に次の「八百回御遠忌」にも繋がっていくよう、あまり背伸びをせずに普段の姿でのお迎えを目指したいと、思いのままお話をさせて頂きました。(合掌)
 最後になりましたが今回の推進員養成講座は、「七百五十回御遠忌」をお迎えする時期とも重なり、非常に意義ある参加となったことを感謝申し上げます。(合掌)

▼引用文は「人」「ひと」「人間」と表現は違いますが(それぞれ吟味するのはとても興味深いことだと思います)今回は同じ意味で頂きたいと思います。

▼左訓とは、聖教本文に対する注記の一種で、説明対象となる本文の左側に、語句の説明や漢字の読みなどを記したものです。親鸞聖人の願いがそこに込められています。

▼3月10日、「蓮ちゃんといっしょに。」の作者(最後の頁参照)ひのすなお(日野直)さんが永代経法要の法話に来られます。皆さまぜひともお参りください。

▼3月11日、震災から8年が経ちます。皆さまとともに合掌し「決して忘れない」を憶念させて頂きます。

▼いよいよ、教区において親鸞聖人の御遠忌が勤まります。3月10日のオープニングイベントから、5月10日〜12日(五村別院)、5月17日〜19日(長浜別院)です。詳細は下をクリックしてください。をご覧ください。
また住職までおたずねください。

▼長浜教区・五村別院・長浜別院 宗祖親鸞聖人750回御遠忌の詳細を見る


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